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其之陸拾陸

堪忍箱
宮部 みゆき/堪忍箱


もうこの人は何でも書けちゃうんじゃないだろうか。宮部 みゆきが他の作家と違うのは、時代とか舞台設定だとか関係なしに常に一定レベルの作品、しかも普通の物差しで計ると高レベルな作品を我々に提供してくれるところ。
物語の底流にあるのは釤もののあはれ”という概念だと思う。だから物語の殆どが必ずしもハッピーエンドで終わらないのだと自分を納得させようとしてもそうはいかない。
敢えてそのような作品を集めたのだとしても、読者の心には陰鬱とした気持ちが残るだけであり、作品云々よりもそういった作品ばかりでこの本を構成してしまったことに不満を覚える。
お勧め度:☆☆☆