多島 斗志之/海賊モア船長の遍歴 とは打って変わって大西洋・インド洋を舞台にしたスケールの大きい海賊物。で、スケールでかすぎて尻切れトンボになるのはいつも通り。クライマックスのブラッドレー船長との対決は呆気なさ過ぎ。それでも個性的な登場人物や…

多島 斗志之/仏蘭西シネマ 映画（特にフランス映画）に興味ない人が読むと面白さ半分。舞台がフランス・ベルギーと広大なだけにもっとスケール感が欲しかった。何か淡々と話が進みすぎて味気ない。 お勧め度：☆☆

多島 斗志之/症例Ａ ここ最近読んだ中で一番面白かった。結構分厚い本だけど途中で「この量で足りるのか？」と思いながら読んでたら、案の定尻切れトンボ状態になってたけど。上下巻に分けてでも書き切った方が良かったと思う。 お勧め度：☆☆☆☆

島田 荘司/上高地の切り裂きジャック やっぱ御手洗シリーズは短編・中編に限るよなぁと思わせる作品。最初から御手洗が登場するから石岡にイライラさせられることも少ないし、サクサクと小気味よく話が進んでいくし。 お勧め度：☆☆☆☆

恩田 陸/月の裏側 この人の作風は一貫していて、全編を通して微妙な怖さと違和感が漂っている感じがする。スピード感も爽快感もないんだけど、きっちり最後まで読ませる手腕はさすが。でも読後感悪し。 お勧め度：☆☆

綾辻行人/「鳴風荘事件」―殺人方程式〈2〉 俺はこの人の「館シリーズ」が好きなんだけど、今回はミステリーの王道“読者に挑戦”。トリックも難しくなく犯人当ては一見簡単そうだがそうは問屋が卸さないのはさすが。きちんと論理的に物語が展開されているのも…

連城三紀彦/人間動物園 この人は全共闘世代らしく作品にこめられたメッセージとして「対権力」といったことが読み取れる。そのこと自体がかなり”イタイ”ことであるということを筆者が理解しているのかどうか分からないが、少なくとも俺には“イタイ”以外の何…

乙武洋匡/残像 五体が満足でない人がいつの間にかスポーツライターになってただで観戦したＷ杯の感想を書いた本。かなりイタイ。本の中で筆者はイングランドのユニホームを着た日本人に違和感を覚え「なぜ他国のユニホームを着て熱心に応援できるのか？」と…

高野和明/13階段 江戸川乱歩賞受賞作だけあって構成がしっかりしていて読みやすい。俺は１日で読破した。きちんと前半での前フリが最後のトリックに効いてるし、死刑執行シーンのリアルさ、ラストに向けての盛り上がり方（スピード感）は素晴らしい。惜しむ…

宮部みゆき/模倣犯 上 まだ下巻を読んでないので途中までの感想。作者がかなり意図的に個性の強い（分かり易い）キャラクターを使っている気がする。自分の親の罪を軽くするために親が殺した家族の生き残りのところに行って減刑を頼む少女とか、気が弱くて殺…