SBA

2004-09-05から1日間の記事一覧

其之陸拾陸

宮部 みゆき/堪忍箱 もうこの人は何でも書けちゃうんじゃないだろうか。宮部 みゆきが他の作家と違うのは、時代とか舞台設定だとか関係なしに常に一定レベルの作品、しかも普通の物差しで計ると高レベルな作品を我々に提供してくれるところ。 物語の底流にあ…

其之陸拾伍

横山 秀夫/臨場 相変わらず面白い。安心して読める。全8作品の短編集ながらL県警を舞台にし“終身検視官”倉石 義男を軸に一つの物語を展開する第三の時効と同じ手法を取っている。一見、人間味に欠ける倉石の人となりが徐々に読者に伝えられるのは好感が持て…

其之陸拾肆

北森 鴻/狐闇 骨董業界という魑魅魍魎が跋扈する世界を描いた作品。冒頭から狐と狸の化かしあいの様な値段交渉あり、市での競りの駆け引きありと一度は覗き込んでみたい世界を書いて読者を引き込んでいる。その後は市でせり落とした商品に紛れ込んでいた“魔…