SBA

重松清/その日のまえに

その日のまえにその日のまえに
重松 清

文藝春秋 2005-08-05
売り上げランキング : 35

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


タイトルで想像できる通り、『死』を題材にした短編集。7つの短編から成っているが核となるのは「その日のまえに」・「その日」・「その日のあとで」の3作。他の短編では主人公ないし主人公に近い人が死に触れかかったり既に死去しているのに対しこの作品ではまさに主人公の妻が死に近づき、そして死に、残された家族の営みが描かれている。また、この作品にはそれまでの短編の登場人物が重要な役割を持ち登場してくる。こういった一連の流れから短編を合わせた長編として読めるが、だとしたら2作目の「朝日のあたる家」は不要だったのではないだろうか?(「その日の前に」に主要人物が登場しない、『死』よりも元教え子達の葛藤がテーマになっている)
どうやら「泣ける」と評判のようだけど、テーマとしては斬新でもなんでもないので過去に似た様な体験したとか結婚して子供がいる同世代の人など「泣ける」層は結構限られてくると思った。
俺は久々に泣いたけど。


オススメ度:★★★★☆